本記事には、手術中の様子を写した写真(出血や切開箇所など)が含まれます。
苦手な方や体調の優れない方は閲覧をお控えいただくか、十分にご注意ください。
▼目次
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 治療内容 | 左下奥歯の抜歯およびインプラント治療 |
| 年齢 | 50代 |
| 性別 | 男性 |
| 期間 | 約2か月半〜3か月 |
| 費用(税込) | 約91万3,000円 |
| リスク・副作用 | ・咬合力が強いためインプラントに過度な負担がかかるリスクがあります ・外科手術を伴うため術後に腫れや痛みが生じる場合があります |
1. 患者さんのご紹介(主訴・お悩み)
50代の男性の患者さんです。もともと継続して当院へ通われており、長年使用していた左下のブリッジが壊れたことをきっかけに、今後の治療についてご相談いただきました。
このままブリッジで再治療するか、それともインプラント治療に挑戦するか悩まれていました。
2. ご来院時の状態と診断
左下の奥歯2本が欠損している状態で、そのうち奥側の歯には、過去にヘミセクションが行われていました。手前側の歯根はすでに失われており、奥側の歯根のみが残存している状態でした。
また、患者さんは噛む力が強く、装着されていたブリッジは金属部分が折れて壊れていました。お口の中には、噛む力が強い方に多くみられる骨隆起も認められました。
患者さんと相談をし、将来的な歯の維持についても考慮したうえで、今回は残っている歯根を抜歯したうえでインプラントを埋入し、隣の欠損部にもインプラントを埋入する治療計画としました。
複数の歯根を持つ奥歯に対して、問題のある歯根を分割して取り除き、残せる歯根を利用する治療方法です。歯の状態によって適応できるかどうかを判断します。
顎の骨の一部が盛り上がり、硬いふくらみとして見られる状態です。噛む力などが関連すると考えられる場合があります。

3. 治療の流れ
①残っていた歯根の抜歯
まず、左下の奥歯に残っていた歯根を抜歯しました。この部分には過去のヘミセクションによって奥側の歯根だけが残っていたため、その歯根を取り除きました。
②抜歯した部位へのインプラント埋入
抜歯した当日に、同じ部位へインプラントを埋入する「抜歯即時インプラント埋入」を行いました。
③隣の欠損部へのインプラント埋入
もう一方の欠損部は、抜歯後の骨が治癒した成熟骨の状態でした。この部分には通常の方法でインプラントを埋入しました。
④インプラントと骨の結合を待つ期間
インプラントを埋入した後は、インプラントと顎の骨が結合するまで約2か月半〜3か月の治癒期間を設けました。
ISQ値を参考に、インプラントの安定性を確認しながら治療を進めました。
⑤被せ物の装着
インプラントと骨の結合を確認した後、最終的な被せ物を装着しました。


インプラントの安定性を数値として評価するための指標です。インプラントを埋入した際の固定状態や、その後の経過を確認する際の判断材料として利用されます。
4. 治療のポイント
①隣の歯への負担を考慮した治療計画
ブリッジは、欠損した部分の両隣などにある歯を土台として人工歯を支える治療方法です。そのため、噛む力が加わると、土台となる歯にも負担がかかります。
今回の患者さんは噛む力が強く、実際に長年使用していた金属製のブリッジが折れていました。50代という年齢も踏まえ、再びブリッジで治療する場合に土台となる隣の歯へ負担が加わることを考慮し、インプラントによって欠損部を補う治療をご提案しました。
インプラントは顎の骨に埋入した人工歯根によって被せ物を支えるため、ブリッジのように隣の歯を支えとして利用しないことが特徴です。
②抜歯とインプラント埋入を同日に実施
残っていた歯根を抜歯した部位には、「抜歯即時インプラント埋入」を行いました。一般的なインプラント治療では、抜歯後に骨や歯ぐきの治癒を待ってからインプラントを埋入する方法もあります。一方、抜歯即時インプラント埋入は、条件が整っている場合に抜歯とインプラント埋入を同日に行う方法です。
今回は口腔内や骨の状態を確認したうえでこの方法を採用し、抜歯後の治癒を待ってからインプラントを埋入する方法と比べ、治療期間を短縮できる可能性を考慮しました。
③強い噛む力を考慮してインプラント治療後の経過を確認
インプラント治療では、埋入することだけでなく、治療後にどのような力が加わるかを確認することも重要です。今回の患者さんは噛む力が強く、インプラントに過度な負荷が加わるリスクがあります。そのため、被せ物を装着した後も噛み合わせや負担の状態を継続的に確認していくことが重要になります。
5. 治療後・予後

治療後は噛み合わせやインプラントの状態を確認し、現在も経過観察を続けています。
一方で、今回の患者さんは噛む力が強いため、治療後もインプラントに加わる負担を継続して確認する必要があります。インプラントは人工物ですが、噛む力による負荷を受け続けるため、治療後のメインテナンスや噛み合わせのチェックが重要です。
今後は定期的なメインテナンスでインプラントにかかる負担を確認し、必要に応じて就寝時に使用するマウスピース(ナイトガード)をご提案するなど、経過をみていきます。
当院では、現在のお口の状態だけでなく、噛む力や残っている歯への負担も確認しながら、患者さんごとに治療方法を検討しています。ブリッジが壊れた方や、歯を失った部分の治療方法で迷われている方、インプラント治療を検討されている方は、兵庫県加東市・小野市の歯医者 小野歯科医院へご相談ください。
監修
小野圭三(小野歯科医院 院長 / 歯科医師)
広島大学歯学部卒業
日本インプラント学会会員
小野貴翔(歯科医師)
愛知学院大学歯学部歯学科卒業
インビザライン認定ドクター
小野彩(歯科医師)
大阪大学歯学部 卒業
歯科保存学会 認定医












