▼目次
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 治療内容 | 上顎と下顎へのインプラント治療 |
| 年齢 | 50代 |
| 性別 | 女性 |
| 期間 | 4ヶ月 |
| 費用(税込) | 1,958,000円 |
| リスク・副作用 | ・外科手術を伴うため術後に腫れや痛み、内出血が生じる場合があります。 |
1. 患者さんのご紹介(主訴・お悩み)
50代の女性の患者さんです。以前通われていた歯医者の閉院をきっかけに、当院へ来院されました。
「左下のブリッジが取れてしまい、元々入れていた入れ歯も使えない。とにかくしっかり噛めるようになりたい」というご要望をお持ちでした。お孫さんがたくさんいらっしゃるため、お孫さんの相手をする体力をつけるためにも、しっかり食事を摂りたいというお悩みを抱えられていました。
2. ご来院時の状態と診断
お口の中を検査したところ、左下の奥歯(5番・6番)、および右上の奥歯(4番・5番・6番・7番)が欠損している状態でした。
左下の顎の骨には十分な量がありましたが、右上の顎の骨は厚みが3mm程度しか残っていませんでした。患者さんは以前、他院で「右上は骨の量が少ないためインプラント治療は難しいです」と断られた経験があり、インプラントを諦めかけている状態でした。





3. 治療計画
検査結果をもとに、左下の5番・6番、および右上の4番・5番・6番へのインプラント治療を計画しました。
他院で治療が難しいと診断された右上の欠損部位に対しては、当院の強みである「グラフトレスサイナスリフト」を用いる計画を立てました。これは、人工骨を使用せずに短いインプラントを埋入する技術です。骨が3mmしかない場所に7mmのインプラントを入れることで、飛び出た部分の周囲に骨の形成が期待される仕組みを利用します。
インプラント手術は下顎と上顎で別日に分け、段階的な計画をご提案し、ご了承をいただきました。
上顎の骨の厚みが足りない場合に行うインプラント治療法の一種です。従来のように豚や牛の骨に由来する人工骨を足す手術を行わず、短いインプラントを埋入することで、ご自身の体内の組織液から自然に骨が再生する仕組みを利用した治療技術です。
4. 治療時(手術当日)
治療は下顎と上顎の2回に分けて手術を行いました。手術当日の流れと治療のポイントは以下の通りです。
①下顎の手術
初めに、骨の量が十分にある左下の欠損部位へインプラントを埋入する手術を行いました。手術時間は約1時間で終了しました。
②上顎の手術
下顎の手術から1ヶ月後、他院で断られていた右上の欠損部位に対して手術を行いました。人工骨を使用しないグラフトレスサイナスリフトという技術を用いてインプラントを埋入しました。こちらも約1時間の手術で終了しました。
■ 治療のポイント
当院では、このグラフトレスサイナスリフトを機能させるため、2025年2月より「メガジェン」というメーカーのインプラントシステムに切り替えています。手術中はISQという機器を用いてインプラントの安定性を数値で客観的に測定し、慎重に治療を進めました。
従来のサイナスリフトは、人工骨を補填してから骨が定着するまで1年以上の期間がかかり、手術後の痛みも伴いやすいというデメリットがありました。しかし、今回の方法であれば比較的痛みを抑えることができ、一般的には約3ヶ月程度で骨形成が進むとされています。人工骨を使用しないことによる感染リスクへの配慮も、この方法の特徴の一つです。
インプラントの安定性を測定するための指標(値)です。専用の機器を用いてインプラントに微小な振動を与え、骨とどの程度強固に結合しているかを数値化することで客観的に判断することができます。
5. 治療後・予後





インプラントを埋入し、お口の中に固定される人工の歯(上部構造)を装着した1ヶ月後に、再度ISQの測定と噛み合わせの確認を行いました。
インプラントが骨にしっかり固定され、適切な噛み合わせが得られていることが確認できたため、インプラント治療を終了しました。現在は、一般の患者さんと同様に3ヶ月に1回の定期検診へお越しいただき、歯科衛生士によるお口のケアと状態の確認を継続しています。
インプラント治療後は以前より食事がしやすくなったご様子で、患者さんからは『食事を楽しめるようになりました』とのお声をいただきました。
当院では「元気なじぃじ・ばぁばを応援する」を治療の裏テーマとして掲げています。子育て世代がシニア世代のサポートを必要としている現代だからこそ、シニア世代の方々が健康で活力を保ち続けることが大切です。「へこたれている暇はないですよ、しっかりご飯を食べないと何もできませんよ」という想いを込めて、インプラント治療を通じて皆様の健康維持に貢献したいと考えています。
他院でインプラント治療が難しいと断られた経験のある方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
監修
小野圭三(小野歯科医院 院長 / 歯科医師)
広島大学歯学部卒業
日本インプラント学会会員
小野貴翔(歯科医師)
愛知学院大学歯学部歯学科卒業
インビザライン認定ドクター
小野彩(歯科医師)
大阪大学歯学部 卒業
歯科保存学会 認定医












