本記事には、手術中の様子を写した写真(出血や切開箇所など)が含まれます。
苦手な方や体調の優れない方は閲覧をお控えいただくか、十分にご注意ください。
▼目次
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 治療内容 | 右上4番:抜歯・抜歯即時インプラント埋入 右上6番:被せ物(ジルコニア)治療 |
| 年齢 | 40代 |
| 性別 | 女性 |
| 期間 | 約2か月半 |
| 費用(税込) | 総額 573,000円 ・インプラント:463,000円 ・ジルコニアクラウン:110,000円 |
| リスク・副作用 | ・強い食いしばりにより被せ物が欠ける可能性がある ・インプラントに過度な負担がかかる可能性がある |
1. 患者さんのご紹介(主訴・お悩み)
もともと当院に通われていた40代女性の患者さんです。
「右上4番の歯が割れてしまった」ことを主訴として治療を行いました。
患者さんは食いしばりが強く、歯が割れたり欠けたりするトラブルが生じていました。また、右上6番が欠けてすり減っていることにご自身でも気付いており、インプラント治療を行うタイミングに合わせて、こちらの歯についてもきれいに治したいとのご希望がありました。
2. ご来院時の状態と診断
診査の結果、右上4番には歯根破折が認められ、歯根が大きく割れて保存が難しい状態でした。
その隣の右上5番は先天性欠損で、生まれつき歯がない状態でした。さらに奥の右上6番には、歯質欠損と咬耗が認められ、歯がすり減っていました。
今回は、割れて保存が難しくなった右上4番を抜歯したうえでインプラント治療を行い、同時に欠けていた右上6番をジルコニアクラウンで修復する計画としました。

歯根破折とは、歯の根の部分にひびが入ったり、割れたりした状態を指します。破折の位置や程度によって対応は異なりますが、歯根が大きく割れて保存が難しい場合には、抜歯が必要になることがあります。
咬耗とは、上下の歯が接触することで歯の表面がすり減っていく状態です。食いしばりなどによって歯に強い力が繰り返しかかる場合、歯の摩耗や欠けなどにつながることがあります。
3. 治療の流れ
①割れた歯の抜歯
歯根破折を起こして保存が難しくなっていた右上4番を抜歯しました。
②抜歯即時インプラント埋入
抜歯した当日に、抜歯した部分へインプラントを埋入しました。適応については、お口や骨の状態などを確認したうえで判断しました。
③仮歯の装着
インプラント埋入後、骨の治癒を待つ期間には仮歯を装着しました。仮歯は見た目を補うだけでなく、最終的な被せ物を製作するまでの間、噛み合わせなどを確認するためにも用いられます。
④奥歯の治療を並行して実施
インプラント治療と並行し、大きく欠けていた右上6番についてもジルコニアクラウンによる治療を進めました。
⑤最終的な被せ物を装着
インプラント埋入から約2か月半後、インプラントの最終的な被せ物と、奥歯のジルコニアクラウンを同じタイミングで装着し、一連の治療を終了しました。


抜歯即時インプラントとは、抜歯を行った当日にインプラントを埋入する治療方法です。抜歯とインプラント埋入を別々の日に行う方法とは治療工程が異なります。すべての症例に適応できるわけではなく、骨の状態や感染の有無などを確認して治療方法を検討します。
ジルコニアクラウンとは、ジルコニアと呼ばれるセラミック材料を使用した被せ物です。強度を備え、歯の形や色調を考慮した修復に用いられます。一方で、被せ物を入れた後も噛み合わせや食いしばりなどの影響を受けるため、定期的な確認が大切です。
4. 治療のポイント
①周囲の歯への負担を考慮した治療計画
今回の患者さんは、抜歯が必要となった歯の隣が先天的に欠損しており、さらにその奥の歯も大きく欠けていました。
欠損した歯を補う方法を考える際には、その部分だけではなく、周囲に残っている歯の状態や噛み合わせも確認することが大切です。今回は抜歯した部分を単独のインプラントで補い、同時に奥歯をジルコニアクラウンで修復しました。
②強い食いしばりを考慮した素材の選択
患者さんは食いしばりの力が強く、それによって歯が割れたり欠けたりするトラブルが生じていました。そのため、治療後についても噛む力による影響を考慮する必要があります。
奥歯の修復にはジルコニアクラウンを使用しました。ジルコニアは歯科治療で被せ物などに用いられる材料で、強度を備えていることが特徴です。
ただし、ジルコニアを使用した場合でも、強い食いしばりによる影響がなくなるわけではありません。被せ物の欠けやインプラントへの過度な負担が生じる可能性があるため、治療後も継続的に状態を確認することが重要です。
③治療工程を考慮した治療計画
抜歯した当日にインプラントを埋入する「抜歯即時インプラント埋入」を行い、抜歯から約2か月半後に最終的な被せ物を装着しました。また今回は、インプラントの治療工程に合わせて、欠けていた奥歯のジルコニアクラウン治療も並行して進めました。
当院では、治療が必要な部位や患者さんのご希望を確認し、それぞれの治療工程を考慮しながら包括的な治療計画を立てています。
5. 治療後・予後

約2か月半で、右上4番のインプラント治療と右上6番の被せ物(ジルコニア)治療を終えました。治療後の経過観察時には、インプラントとジルコニアクラウンの状態を確認し、噛み合わせを確認しながら経過をみています。
一方、この患者さんは食いしばりの力が強いため、治療を行った部分だけでなく、残っているご自身の歯についても継続して状態を確認する必要があります。強い力が繰り返しかかると、被せ物が欠けたり、インプラントに過度な負担が加わったりする可能性があります。そのため、治療を終えた後もメインテナンスを通じて、インプラントやジルコニアクラウン、残存歯の状態を継続的に確認していく予定です。
当院では、治療する歯だけではなく、周囲の歯や噛み合わせも確認しながら治療計画を立てています。歯が割れて抜歯が必要と言われた方や、インプラント治療を検討されている方は、兵庫県加東市・小野市の歯医者 小野歯科医院へご相談ください。
監修
小野圭三(小野歯科医院 院長 / 歯科医師)
広島大学歯学部卒業
日本インプラント学会会員
小野貴翔(歯科医師)
愛知学院大学歯学部歯学科卒業
インビザライン認定ドクター
小野彩(歯科医師)
大阪大学歯学部 卒業
歯科保存学会 認定医












