▼目次
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 治療内容 |
右下5番 ・根管治療 ・補綴治療 右下6番 ・インプラント治療 ・FGG(遊離歯肉移植術) |
| 年齢 | 60代 |
| 性別 | 男性 |
| 期間 | 4ヶ月 |
| 費用(税込) |
528,000円
インプラント・補綴治療 473,000円 |
| リスク・副作用 | 外科手術を伴うため、術後に痛みや腫れ、出血が生じる場合があります。 |
1. 患者さんのご紹介(主訴・お悩み)
今回の患者さんは、当院の定期検診に継続して通われている60代の男性です。
検診の際に、過去に治療したブリッジの土台部分がむし歯になっていることが見つかりました。むし歯を指摘されたことをきっかけに、今後の治療法について相談したいとのご希望があり、治療を開始しました。患者さんは、大切なご自身の歯をできるだけ長持ちさせたいという思いを持たれていました。
2. ご来院時の状態と診断
お口の中を診査・診断したところ、右下5番の歯にむし歯が進行している状態であることが確認されました。この歯は過去にブリッジの土台として使用されていたため、むし歯の進行によってブリッジの維持が難しくなっていました。
また、隣の右下6番の歯はすでに失われている欠損状態であり、これまではブリッジによって噛み合わせを支えていましたが、土台のむし歯により構造全体を見直す必要性が生じていました。


3. 治療計画
治療にあたり、再度ブリッジを作り直すという選択肢もありました。しかし、患者さんの年齢や今後のライフステージを考慮し、もしここで再びブリッジを選択した場合、将来的に土台の歯へ負担がかかることで、歯の破折や追加の治療が必要になる可能性があることを説明しました。
単に「ブリッジが壊れたからその場しのぎで作り直す」という治療ではなく、患者さんの10年後、15年後のライフステージまで見据えた治療計画を提案することを大切にしています。
将来的な歯への負担軽減を考慮し、右下6番の欠損部にはインプラントを埋入し、むし歯が進行していた右下5番の歯は根管治療を行った上で、ジルコニアクラウンを単独で被せる計画を立てました。これにより、それぞれの歯に無理な負担をかけない独立した構造を作ります。
むし歯が歯の神経にまで達してしまった場合に、歯の根の中にある汚染された神経や細菌をきれいに取り除き、内部を洗浄・消毒し、薬剤を充填して封鎖する治療のことです。歯の土台を健全に残すための重要な基盤となります。
ジルコニアを使用した被せ物(クラウン)のことです。ジルコニアはセラミックの一種で、奥歯などにも使用されることがあります。また、天然歯に近い色調の再現が目指せる材料の一つです。
4. 治療時
治療は計画通り、右下6番へのインプラント埋入と、右下5番の根管治療から開始されました。
インプラントを埋入して2ヶ月が経過した頃、治り具合を確認したところ、インプラントの周囲に「柔らかい歯ぐき」しかない状態になっていることが判明しました。硬い歯ぐきが十分に確保されておらず、柔らかい歯ぐきのみの状態では、日々のブラッシングの際に歯ブラシが当たると痛みを伴い、適切なケアが難しくなります。その結果、汚れが溜まりやすくなり、インプラント周囲炎になるリスクが上がる可能性があります。
そこで当院では、インプラントの周りに硬く丈夫な歯ぐきを作るため、上あごから歯肉を採取して移植する歯周外科手術であるFGG(遊離歯肉移植術)を実施しました。
インプラントを骨に埋めて終わりにするのではなく、「インプラントが絵画なら、FGGは額縁を整えること」であると当院の歯科医師は考えています。当院では、ブラッシングのしやすさや長期的な維持を考慮し、周囲の歯ぐきの環境を整える歯周外科治療にも対応しています。
お口の中の別の場所(主に上あごの粘膜)から、硬くて丈夫な歯肉の組織を切り取り、歯ぐきが不足している部分に移植する歯周外科手術のことです。インプラントや天然歯の周囲を健康に保つための環境を整えます。
インプラントの周囲に溜まった汚れ(プラーク)の中の細菌が原因で起こる病気です。天然歯の歯周病と同様に、進行するとインプラントを支えている周囲の骨が溶けてしまい、最悪の場合はインプラントが脱落することもあります。
5. 治療後・予後


FGGの手術によって、毎日のブラッシングがしやすい硬く丈夫な歯ぐきを作ってから、右下6番のインプラントの被せ物と、右下5番のジルコニアクラウンをセットしました。
治療終了後の経過は良好です。十分な付着歯肉を確保したことで、清掃しやすい口腔環境の維持につながることが期待され、現在は良好な経過を維持されています。
当院では、現在の問題だけでなく、将来のライフステージや10年後、15年後の歯の寿命を見据えた治療を心がけています。お口の将来に不安がある方や、将来を見据えた治療について相談したい方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
監修
小野圭三(小野歯科医院 院長 / 歯科医師)
広島大学歯学部卒業
日本インプラント学会会員
小野貴翔(歯科医師)
愛知学院大学歯学部歯学科卒業
インビザライン認定ドクター
小野彩(歯科医師)
大阪大学歯学部 卒業
歯科保存学会 認定医












